リレーションシップは、業務ルール(業務を遂行する上での運用ルール)によって発生するエンティティ間の結びつきのことですが、あるエンティティと他のエンティティのインスタンスの結びつきには、数の対応関係もあります。
数の対応関係には以下の4種類があります。

エンティティタイプとリレーションシップの数の対応関係を多重度と言います。多重度は、相手側のインスタンスに対して、自分側のインスタンスが常に1の場合は直線でつなぎ、複数の場合も存在するなら「→」で表記することになっています。
上図の例で言うと、上から2つ目の「1対多」の関係は、左側のひとつのインスタンスに対して、右側のインスタンスは複数存在し、逆に右側のインスタンスひとつに対して、左側のインスタンスはひとつであることを示しています。
オプショナリティ
オプショナリティとは、多重度にセロを含むかどうかを区別して表記するもので、相手のインスタンスに対して、絶対に存在する場合(つまり「0」とならない場合)には「●」を存在しないことがある場合(つまり「0」となることもある場合)には「○」を表記します。
表記 | 多重度 | インスタンス | 意味 |
---|---|---|---|
![]() | 1 | 必須でない | 相手から見て、A側のインスタンスが対応する数は、0又は1 |
![]() | 1 | 必須である | 相手から見て、A側のインスタンスが対応する数は、厳密に1 |
![]() | 多 | 必須でない | 相手から見て、A側のインスタンスが対応する数は、0以上 |
![]() | 多 | 必須である | 相手から見て、A側のインスタンスが対応する数は、1以上 |
オプショナリティを表記に含めない場合もあります。試験の問題文中に「エンティティタイプ間の対応関係にゼロを含むか否かの表記は必要ない」などと指定された場合は、解答に●○をつけてはいけませんので注意してください。